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コンテナハウスとトレーラーハウスを比較

法律上の扱い・それぞれのメリット

コンテナハウスとトレーラーハウス

  • 法律上の扱いの違いは?
  • コンテナハウスのメリットは?
  • トレーラーハウスのメリットは?

など、違いを分かりやすく解説します!

法律上の扱いを比較

法律が規定する「コンテナハウス」

コンテナハウスとは、コンテナを用いて作られた住居や事務所、店舗等のことです。

山梨県の2階建てコンテナハウス HL_BOX

国土交通省の通達によると、コンテナハウスは建築基準法が規定する「建築物」とみなされるため、建築基準法に適合しないコンテナハウスは違反建築物となり、行政によって撤去や使用禁止を命じられることがあります。かつてはコンテナを利用した建築物に対する行政の対応は曖昧であったこともあり、建築確認を受けずに輸送用 ISO コンテナをカラオケルームや倉庫などに流用するケースが相次いでいました。現在は規制や取り締まりが強化されているため、建築基準法を満たすためには、材料・構造・溶接などを工夫した建築専用コンテナを利用することが現実的な選択肢となります。

建築基準法とコンテナハウスの関係については、以下のページで詳細をご覧いただけます。

法律が規定する「トレーラーハウス」

トレーラーハウスとは、タイヤがついた牽引可能な車両の上に、住居や事務所、店舗等の建物を乗せた工作物のことです。トレーラーハウスそのものにはエンジンはついていないため、移動させる場合には牽引車が必要です。

法律上、トレーラーハウスは車両とみなされる場合と、建築物とみなされる場合の二通りがあります。車両扱いの場合には道路運送車両法や自動車税の対象になる一方で、建築物扱いの場合には建築基準法や固定資産税の対象になるため、この区別は重要です。

建築基準法第 2 条は、「土地に定着する工作物のうち一定のもの」を建築物と定義しています。この「定着」という言葉は、工作物が特定の場所から容易には動かせない状態が継続していることを意味するのであり、工作物と基礎を「固定」するという意味ではありません。通常、トレーラーハウスは基礎と「固定」されていませんが、車検済みで走行可能な状態であれば土地に「定着」していないため車両とみなされます。他方で、車輪が取り外されているなど走行不可能な状態であれば土地に「定着」しているため建築物とみなされます。

具体的には、以下のようなトレーラーハウスは車両ではなく建築物として扱われます。

  • トレーラーハウスを移動する際に障害となるような階段やポーチ、ベランダ、柵などがついている。
  • ライフラインのための設備配線や配管などが、簡単には着脱できない方式で接続されている(着脱には工具が必要な状態になっている)。
  • 車輪が取り外されている。または、車輪がパンクしている。
  • トレーラーハウスの設置場所から公道までを繋ぐ、連続した通路がない。
  • そのままでは適法に公道を移動できない。

逆に、トレーラーハウスが建築物ではなく車両として扱われるためには、上で挙げたポイントをいずれもクリアする必要があります。加えて、道路運送車両の保安基準第2条によると、そもそも自動車は、長さ12m・幅2.5m・高さ3.8mを超えてはならないという制限があります。保安基準第2条の制限内にあたるトレーラーハウスの場合、被けん引車として認められるため、車検を受ける、自動車登録証の交付を受ける、自動車税を支払うなどの必要があります。

保安基準第2条の制限を超えてしまうトレーラーハウスでも、基準緩和認定書と特殊車両通行許可を取得すれば「大型特殊自動車」扱いになります。この場合、自動車取得税、自動車税、重量税はかかりませんが、自治体によっては償却資産税の対象になります。ただ、日本に流通している保安基準第2条の制限外のトレーラーハウスは、日本のブレーキ基準の関係上、基準緩和認定書を取得したとしても高速道路を走行できませんし、一般道を走行する際にも夜間限定で先導車が必要です。

コンテナハウスの利点

通常の建築物と比べると、コンテナハウスやトレーラーハウスはともに、移設や移動が可能であるという大きなメリットがあります。ただし、いずれも移動にはある程度の道路幅が必要です。

トレーラーハウスでは基本的に既製品を利用するため、デザインや広さに制約がありますが、コンテナハウスでは設計から行います。構造計算を行い、基礎を作り、電気上下水道ガスなどのライフラインを引き、断熱を行い、内装を作り、といった一般の家と同様の建築工程が必要ですが、その分、用途や目的、外部空間に合わせたデザインが可能であることはコンテナハウスの強みです。コンテナどうしを横につなげたり縦に積み上げることで広い空間を生み出すことができる点も、トレーラーハウスとの大きな違いです。

コンテナハウスを使ったカジュアルなショップ

トレーラーハウスには車輪がついているため、コンテナハウスよりも移動が容易で輸送コストが安いと思われがちですが、一概にそうとは言えません。確かに、車両扱いのトレーラーハウスであれば自分が好きなときに移動できますが、牽引免許や牽引車を持っていない場合には人件費やレンタル費用、保険等、出費が高額になります。また、保安基準第2条の制限を超える大きさの場合、特殊車両通行許可がなければ移動は不可能ですし、高速道路での移動は原則としてできません。一方、コンテナハウスの場合、建築用コンテナの規格は輸送用コンテナの規格を踏襲しているため、輸送時には特殊車両通行許可が必要なく、世界共通のコンテナ輸送を利用することができるため輸送コストを節約できます。

トレーラーハウスの利点

コンテナハウスは建築物とみなされるため、建築確認申請が必要です。また、コンテナハウスの施工時には基礎工事を行う必要があります。一方、車両扱いのトレーラーハウスであれば建築確認が不要ですし、タイヤのついたシャーシが土台になるため、設置時に基礎工事を行う必要がありません。