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コンテナハウスのすべてを分かりやすく徹底解説!
サイズ・間取り・内装・外装・設備・耐久性・断熱性など
デザインは?住み心地は?強度は?
- コンテナハウスの広さや間取りは?
- コンテナハウスはどのようなデザインが可能?
- コンテナハウスは夏に暑くて冬に寒いのでは?
- コンテナハウスの住み心地は?
- コンテナハウスの強度や耐久性は?
など、コンテナハウスに関する疑問を分かりやすく徹底解説します!
コンテナハウスの広さと間取りは?
建築用コンテナの規格
2040JP ではコンテナハウスを建てる際に海上輸送コンテナを流用するのではなく建築専用コンテナを利用します。建築専用コンテナには 20 フィートと 40 フィートの 2 種類があり、ともに国際標準である ISO 海上輸送コンテナと同じサイズです。具体的なサイズは以下の通りです。

20 フィートと 40 フィートのコンテナそれぞれについて、幅・長さはそのままで高さだけを 1 フィート(約 30 cm)高くしたコンテナもあります。このハイキューブコンテナは一般的なコンテナよりも容積が 12% ほど増加します。弊社でも状況に応じてハイキューブコンテナを利用します。
海上輸送コンテナではなく建築専用コンテナを利用する理由は、デザイン性、品質、そしてコンプライアンスを両立させるためです。海上輸送コンテナを使ったコンテナハウスは材質の問題で建築基準法をパスできませんし、構造上の理由から、窓やドアを設置するために壁に開口部を設けると強度が大きく損なわれてしまいます。建築専用コンテナであればこれらの問題をクリアできます。
建築専用コンテナのサイズを国際標準である ISO 海上輸送コンテナのサイズにあわせる理由は、輸送コストを大幅に削減するためです。国際的に規定されたサイズだからこそ、世界で統一されたコンテナ輸送の恩恵を受けることができます。規格外の建築専用コンテナを作ることもできますが、輸送費が高くなってしまうというデメリットがあります。
コンテナ 1 つでも豊かな表現が可能
コンテナハウスをデザインする際には個々のコンテナをモジュールとみなした上で、モジュールどうしを組み合わせることにより様々な形・サイズを実現します。ただし、用途によっては コンテナ 1 つだけでも十分な広さを確保できます。


『恵比寿コンテナ』は 40 フィートコンテナを利用したイベント&カフェスペースです。カフェの入り口までは木製の階段が設けられており、屋外のウッドデッキにはテラス席があります。コンテナとウッドデッキのコントラストがおしゃれで印象的です。


『なめがたファーマーズヴィレッジ』では、コテージとしてコンテナハウスを活用しています。ここでもウッドデッキが効果的に使われており、コテージが周辺の自然と上手く調和しています。
複数のコンテナを並べて広い空間を創り出す
建築専用コンテナであれば壁に開口部を設けても耐久性が損なわれないため、複数のコンテナを並べて広いスペースを作ることができます。


『カフェ桜林茶寮』では 20 フィートコンテナと 40 フィートコンテナを組み合わせて 1 つの空間を作っています。店舗面積は約 13 坪、客席数は 13 席です。


沖縄のヤンバルに建つ『アイアンコテージ』は航空機や潜水艦を思わせる玄関扉や丸い窓が大きな特徴のコテージです。壁を取り外したコンテナを活用したウッドデッキからは美しい景色を楽しむことができます。
2 階建てや 3 階建ても可能
建築専用コンテナは強度が高く、積み重ねて 2 階建てや 3 階建ての建築物を作ることができます。もちろん、建築基準法をパスします。


家具や雑貨、DIY 用のアイアンパーツを製造・販売する『COBA INDUSTRIAL WORKS』の店舗には 40 フィートのハイキューブコンテナを 8 台利用しており、正面部分は 2 階建てになっています。


こちらのガレージハウスでは 7 台の 20 フィートコンテナを活用しています。1 階にはコンテナを 3 台配置し、2 階に配置した 4 台のコンテナを支えています。
少ないコンテナで大きなスペースを作る
両サイドに配置したコンテナを梁でつなげることにより、中心部に広大な空間を確保するというアプローチも可能です。


撮影スタジオ『TRadboX』では 20 フィートのハイキューブコンテナを 8 つ利用しています。2 段に重ねたコンテナを四方に囲むように配置することにより、中心部に広大なスペースを確保しています。中心部には屋根を設けてあります。


鎌倉由比ガ浜に登場した海の家『かまくら横丁』は 20 フィートコンテナを 15 台活用した大型フードコートです。各コンテナはイタリアン、タコス、たこ焼き、ジンギスカン、焼き肉などの店舗になっており、それらを敷地の周辺に並べて配置することで中心に広大なスペースを作り出しています。
コンテナを縦置き・斜め置きにすることも
しっかりと構造計算を行えばコンテナを縦置きや斜め置きすることもできるため、より自由なデザイン・間取りを実現できます。


沖縄の石垣島にオープンしたコテージホテル『ぱいぬ島リゾート』ではコンテナを斜めに配置することで、インパクトのある外観と開放的な内部スペースを同時に実現しています。
コンテナハウスの内装と外装は?
コンテナのメタル感と重厚感を生かした外装
コンテナハウスのデザイン上の強みは、コンテナならではの質感と存在感です。箱型のシンプルな形状、鋼製波板によるゴツゴツとした外壁、そして全体的なメタル感が生み出す迫力と重厚感は、通常の建築物ではなかなか表現できません。閉鎖性が気になるようであれば壁を取り払ってガラス張りにするなど、様々な工夫が可能です。建築専用コンテナは壁全体で建物の重さを支える壁構造ではなく柱と梁で建物の重さを支えるラーメン構造を採用しているため、壁に開口部を設けても強度を維持できます。


『WILD WEST DAYS』はアメリカ雑貨を扱うカジュアルショップですが、コンテナハウスのメタル感がショップのテーマと調和しています。また、店舗正面のコンテナの外壁を大胆に取り払い大きな窓をはめ込むことで、全体的に開放感が生まれています。
外装パネルや外壁を使って外観の雰囲気を変える
先ほどの事例ではコンテナの壁を取り払い窓をはめ込んでいましたが、雰囲気を変えるために窓の代わりにパネルをはめ込んだり、コンテナの壁に外壁を重ねることもできます。


麹町のカフェ・レストラン『No.4』では三角屋根やウッドデッキを取り付けると同時に、アクセントとして外壁にウッドパネルを使うことで、全体として和を感じさせるテイストに仕上がっています。
コンテナの質感を生かした内装
コンテナ独自のメタル感や重量感を内装のデザインに生かすこともできます。


『アイアンコテージ』はその名の通り、ところどころに鉄のイメージを残したコテージです。メタル部分の無機質な雰囲気と、ウッド調フロアの柔らかい雰囲気が魅力的なコントラスを生み出しています。


運送会社『GROUND AREA SERVICE』のオフィスは、内装でもコンテナの壁を利用することで、全体的なデザインの統一感と洗練された印象を与えます。
通常の建築物と同じような内装も可能
コンテナハウスでは通常の建築物と同様に、板張り・フローリング・タイル・パネル・クロス・塗装などを組み合わせて好みの内装デザインを実現できます。


『TOWA ピュアコテージ』の内装は白とダークブラウンを基調としつつも、アクセントとなる場所をカラフルに塗装することで、可愛らしさとモダンな雰囲気を併せ持つ室内に仕上がっています。
コンテナハウスの住み心地は?
コンテナハウスの断熱性能
コンテナハウスは金属製であることから、何も改造しなければ冬は寒く夏は暑いという住居には向かない建物になってしまいます。しかし裏を返せば、コンテナハウスは重量鉄骨造の家のようなものですので、通常の断熱対策が可能です。空調と断熱工事によって断熱面の問題は解消できます。


北海道ニセコに冬季限定で登場した『オネストビー』の店舗では、受付ということもあり意匠性を重視して大きなガラス面を設けています。その分断熱性能が落ちるため、対策として内壁に吹き付け発泡ウレタン 50 mm を施しています。発泡ウレタンで覆われたコンテナの内壁は空気に触れることがないため、結露対策にもなっています。暖房設備を入れれば冬でも暖かい環境を保つことができます。
コンテナハウスの設備機器
コンテナハウスは気密性や水回りなども考慮されており、内部にはキッチン、シャワールーム、トイレなどを備え付けることができます。


こちらはパンとピザのお店『No.4』の内部の様子です。コンテナハウスであっても、飲食店に必要な設備機器をすべて設置できます。
コンテナハウスの強度と耐久性は?
コンテナハウスの強度と耐久性
ISO 海上輸送コンテナは 2mm とか 3mm しか厚みがないため構造としては弱いのですが、2040JP で扱っている建築専用コンテナは 5mm 厚ですのでかなり頑丈でシェルターとして使えるほどです。また、建築物としてもトップクラスの耐震性能を持っています。耐用年数はおよそ40年と言われています。
コンテナハウスの錆対策
コンテナは鉄なので錆びます。しかし裏を返せば、コンテナハウスは重量鉄骨造の家のようなものですので、塗装処理など通常の錆対策が可能です。


『NAMERA_WASH』は愛媛県今治市に建つコインランドリー+コインシャワーです。海の真横に建っていることもあり、防錆加工がされたコンテナを使っています。