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コンテナの配置パターンからコンテナハウスを分類
主に弊社が手掛けた事例を紹介
コンテナの平面・立体配置パターン
建築用コンテナには柱梁で重さを支える強い構造を採用しているため、天井・床・壁面の開口や仕様を自由に設計したり、コンテナどうしを積み重ねることが可能です。そこで今回はコンテナの配置パターンとしてどのようなものがあり得るか、平面配置と立体配置の 2 つの基準から分類します。
コンテナハウスをコンテナの配置パターンから分類
コンテナハウス 2040JP は建築用コンテナとして海上輸送用コンテナの規格をそのまま採用しているため、輸送時には国際的に統一されたコンテナ輸送網の活用できます。合理的な施工・輸送・移築・再利用が容易であることはコンテナハウスのメリットの 1 つです。
その一方で、建築用コンテナと海上輸送用コンテナは構造的にまったくの別物です。海上輸送用コンテナは壁全体で重さを支える壁構造であり、また、フォークリフトで運搬しやすいように平たい穴(フォークポケット)が付いています。他方の建築用コンテナは柱と梁で建物の重さを支えるラーメン構造を採用しており、デザイン性を考慮してフォークポケットは付いていません。柱梁があるため天井や床、壁面の開口や仕様を自由に設計したり、コンテナどうしを立体的に積み重ねられることは建築用コンテナのメリットの 1 つです。そこで今回は建築用コンテナの配置としてどのようなパターンがあり得るか、平面配置と立体配置の 2 つの基準から分類してみたいと思います。
コンテナの平面配置パターン
コンテナの平面配置パターンとしては、単独型、連結型、そして分散型の 3 パターンが考えられます。
単独型
単独型とは単体のコンテナからなる建築です。単独型はコンテナ単体の建築であることから、容易に移動できるというメリットがある一方で、規格が決まっているため天井高をとることができないという制約があります。
連結型
連結型とは 2 個以上のコンテナどうしが接続している建築です。連結型ではコンテナどうしが接続するため広い空間を作り出すことができるというメリットがありますが、広い空間をつくる際にはどうしても柱梁が目に見える形で外側に現れてしまいます。ただし、柱梁を建築デザインの一部として活用するのであればデメリットがメリットへ転化します。
分散型
分散型とは 2 個以上のコンテナを互いに離れた形で配置した建築です。分散型ではコンテナどうしの間に広い空間を創り出すことができます。ただし、コンテナが分散しているため、コンテナの内部空間は単独型と似てきます。分散型のコンテナ建築が生み出す空間は、広場のように人のつながりや賑わいを生み出します。
コンテナの立体配置パターン
コンテナの立体配置パターンとしては、一層型、面接続型、辺接続型の 3 パターンが考えられます。
一層型
一層型とはコンテナを積み重ねていない 1 階建ての建築です。一層型は単独型と同様に、容易に移動できるというメリットがある一方で、規格が決まっているため天井高をとることができないという制約があります。
面接続型
面接続型とはコンテナを積み重ねる際に面と面でつなげる建築です。複数のコンテナを面どうしでつなげることで床や天井を抜くことができるため、建築に 2 層分の高さを生むことができます。また、コンテナの規格は決まっているため、接続部分の柱梁が目に見える形で表に現れます。
辺接続型
辺接続型とはコンテナを積み重ねる際に辺と辺でつなげる建築です。複数のコンテナを辺どうしでつなげることでコンテナとコンテナの間に空間を作り出すことができます。その一方で、コンテナどうしが面でつながっていないため 2 層分の高さを得ることができません。
弊社が関わったケースではありませんが、辺接続型のコンテナ建築としては東日本大地震後の支援プロジェクトの一環として宮城県女川町に建設された仮設住宅が挙げられます。